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そうは言っても〜私的所見〜

備忘録的に。芸術のこと。ファッションのこと。生きること。愛すること。食べること。

有元利夫展〜札幌芸術の森〜

北海道で久々の、まともというか、これは観たい!!!と心から思えた展覧会に行ってまいりました。

 大・大・大好きな有元利夫です。これが北海道であると知って、大興奮でした。

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開期ももう半ば。本当はもっともっと早く来るつもりでいたのですが、なんせ、市内からここまで結構な距離があり、交通の便が悪いため、朝早起きが苦手なわたくしは、いつも遅れをとっていたのです。

 

地下鉄真駒内駅から20分ほどで緑あふれる芸術の森に到着いたしました。

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 ここ何日かは、札幌、お天気悪く、なんか久しぶりに傘ののお心配がない日だなぁと思ったのでした。

新緑がむさ苦しいほど迫ってまいります。

ここに来たのは、一年半ほど前、藤城清治先生の展覧会の時。その時は車で来たのですが、今回はバス。芸術の森はかなり広く、バスから降りてから美術館への道を忘れていました。

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あったあった。そうこんなところだった。真ん中の道の両脇には水があって。

展示会場と、カフェの入り口があるです。そうだったそうだった。

 

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有元利夫は、かれこれ10年くらい、毎年、新潮社から出ているカレンダーを買っておりまして、とにかく日本の画家では平山郁夫さんと並び、わたしの大好きな画家であります。

2010年だったろうか。東京の庭園美術館で大回顧展があって、すごく行きたかったけど、当時は気軽に有休がとれる状況ではなく、LCCもまだそんなに普及していなく、東京に行くのがとてもハードルの高いものでした。今なら月一回くらいいけちゃうくらいなんですが、気持ちの問題なのかな。なんか、ものすごく遠いところだと感じていたのでした。泣く泣く諦めたのです。

 

で、有元利夫作品は、好きだったけれども、まともに実物の作品をみた記憶がなく、ついこないだ、芸大美術館でみたくらいだったので楽しみにしてました。

 

いまだに目覚ましのためだけに使っているガラケーの待ち受けは、厳粛なカノン。この絵もきてました。

 

わたしは、展覧会では絵の横の説明書きで、絵のサイズと、画材を注目するのですが、今回の展覧会にそのような説明がほぼ無く、絵が板に描かれているのか、キャンバスなのか、画材は油絵なのかなんなのか、そんな説明はまったく無く・・・

まぁ、油絵使ったり、岩絵の具使ったり、そのほか、いろんな土や鉱物を乳鉢ですりつぶして使っていたようなので、画材の特定もなかなか難しいのかもしれないです。

 

とにかくまぁ、前を向いても後ろを見ても、右も左も有元利夫だらけ。他の画家の作品は皆無だったので、有元利夫作品に囲まれている、夢のような空間に居られること、それだけが幸せで幸せで。

なんなんだろう、絵肌、発色、本物でなければわからない良さが強すぎて。

プリントにすると、色の深みとかがぜんぜん違う。カレンダーで見ていた絵もみているともちろん、幸せな気持ちになるのだけれど、本物は胸を熱くさせるのですね。

 

私は1979年から1982年くらいの作品が好き。晩年に比べて、色が濃いような気がする。発色が強いというか。

「ささやかな時間」も好きだ。このリコーダーを吹く人の表情。何度も何度も見返した。そんなに大きな作品ではないけども、見た時間の長さでは一番だったと思う。

 

そして、彼が生前寄稿した文章が絵と一緒に飾ってあるのですが、その字体とか紙の色とかがまた良い。

 

で、若くして亡くなってしまう。

最後に奥様の文章があった。それを読むとちょっと複雑になった。

有元利夫もまた、当時は当たり前だが、今となっては古臭いと言われるかもしれない普通の男性だったのだと。

自宅のアトリエで作品を描いているときは、奥様は絶対外出できなかったという。そして、芸大を二年も前に卒業している奥様に向かって、僕が死んでから絵をかけば?と言ったとか。

もちもん、夫婦の会話は夫婦でしかどういう意味なのかわからないけど、なんだかなぁと思った。当時で芸大の日本画科を卒業している奥様も、きっとかなりな才能があったに違いない。だからこそあの有元利夫夫人になることができたのかもしれないのだけれど。

平山郁夫の奥様も同じ芸大で会って、結婚をして絵を描くのをやめている。

なんか、もったいないなぁ。わたしが女だからそう思うのかもしれないけれど。

 

いままで、若くして志半ばで病に倒れた、ちょっと変わった画風の有元利夫を神格化していたところもあったのも確か。

今回の展覧会で知った新たなことでした。

それでも、この人の絵は、これからもずっと好きでいつづける。好きで好きでたまらない。

 

展覧会会場でチェンバロ(この楽器も大好き)の演奏会があり、チェンバロといえば、有元とわたしが好きなバロック音楽で、これもまた幸せな時でした。

椅子の席がうまってしまい、立ち見も致し方なしと思っていたところ、追加の椅子が登場し、ぎりぎりのところで座って聴くことができました。立っているかたもたくさんいらっしゃいましたところ恐縮です。

 

閉館近くまでたっぷり堪能いたしました。

 

これからの芸森は、エッシャーやら、ディズニープリンセスやら、楽しいものがあるようです。

たまにはやる気みせておくれよ〜札幌よ。

 

あ、有元といえば、画面にトランプが舞い散る絵がたくさんあるのですが、なぜか、トランプが描かれた作品は今回ありませんでした。

トランプ柄好きなわたしとしては、ちょっと残念でした。

 

とはいえ、とても幸せな展覧会なのでした。